2010年01月24日
新選組始末記
私は1970年代の何年間かを京都に住んだのであるが、新選組にはまったく興味がなかった。池田屋の前は何度も通ったが、それは三条通という繁華な場所にあったからで、壬生には行った事がなかった。
出版社に入り新選組の本を出すという時になってにわか勉強をはじめたのである。著者の今川徳三氏は子母沢寛の弟子で、新選組の著書を何冊か出版されていた。今川氏のレクチャーがあったり子母沢寛の「新選組始末記」を読んで、幕末の暴力集団とは違う新選組をとらえる事ができた。
彼らは江戸時代の身分制度からはじかれたものたちであった。武士という身分に固執したのはそんな自分たちの境遇からの脱出だったのだろう。
子母沢寛の「新選組始末記」はまことによくできたドラマである。子母沢がジャーナリストの出身であるということもあって、これはドキュメンタリーであるということが長く信じられていた。しかし近年では、「新選組始末記」は子母沢寛の作った虚構の物語、小説であるということが定説となっている。随所に見られる隊士たちへのオマージュといったもの、それは作者の哀惜の念が溢れていることからも見て取れる。
最近映画「壬生義士伝」に刺激されて、「新選組始末記」を拾い読みした。吉村貫一郎が、南部藩の元上司大野に「君はまるで武士の魂を持っていないね」と責められて「そんなことはどうでもいいのです。妻子さえ安心して食えるだけに御扶持がいただけていたら、私ははじめから藩を脱するようなことはことはしなかったのですから。私は、私自身のためよりも妻子のために忠義を尽くし、妻子のために生きていきたいのです。徳川家が栄えようが、それが天朝様に代ろうが、私は、それよりもまず私の妻子の、食うか食わないかを考えるのです。私は今妻子のために今死にたくないのです」と言う。その思いは作者である子母沢寛のものであるのだ。
●写真は子母沢寛「新選組始末記」(時代小説文庫) 古書価格500円
南宜堂が編集した本は
●今川徳三著「幕末を駆け抜けた男たち」(教育書籍)
●今川徳三著「近藤勇と新選組」(教育書籍)
●萩尾農・山村竜也編「英雄の時代 新選組」(教育書籍)
■古書目録 新選組
11539 新選組血風録 単行本
司馬遼太郎/中央公論社/昭和54年32版発行/ 500円
13023 新選組事典 (中公文庫)
鈴木 亨 編集/中央公論新社/1999発行/ 500円
13081 新選組100話 (中公文庫)
鈴木 亨/中央公論社/1996発行/ 700円

出版社に入り新選組の本を出すという時になってにわか勉強をはじめたのである。著者の今川徳三氏は子母沢寛の弟子で、新選組の著書を何冊か出版されていた。今川氏のレクチャーがあったり子母沢寛の「新選組始末記」を読んで、幕末の暴力集団とは違う新選組をとらえる事ができた。
彼らは江戸時代の身分制度からはじかれたものたちであった。武士という身分に固執したのはそんな自分たちの境遇からの脱出だったのだろう。
子母沢寛の「新選組始末記」はまことによくできたドラマである。子母沢がジャーナリストの出身であるということもあって、これはドキュメンタリーであるということが長く信じられていた。しかし近年では、「新選組始末記」は子母沢寛の作った虚構の物語、小説であるということが定説となっている。随所に見られる隊士たちへのオマージュといったもの、それは作者の哀惜の念が溢れていることからも見て取れる。
最近映画「壬生義士伝」に刺激されて、「新選組始末記」を拾い読みした。吉村貫一郎が、南部藩の元上司大野に「君はまるで武士の魂を持っていないね」と責められて「そんなことはどうでもいいのです。妻子さえ安心して食えるだけに御扶持がいただけていたら、私ははじめから藩を脱するようなことはことはしなかったのですから。私は、私自身のためよりも妻子のために忠義を尽くし、妻子のために生きていきたいのです。徳川家が栄えようが、それが天朝様に代ろうが、私は、それよりもまず私の妻子の、食うか食わないかを考えるのです。私は今妻子のために今死にたくないのです」と言う。その思いは作者である子母沢寛のものであるのだ。
●写真は子母沢寛「新選組始末記」(時代小説文庫) 古書価格500円
南宜堂が編集した本は
●今川徳三著「幕末を駆け抜けた男たち」(教育書籍)
●今川徳三著「近藤勇と新選組」(教育書籍)
●萩尾農・山村竜也編「英雄の時代 新選組」(教育書籍)
■古書目録 新選組
11539 新選組血風録 単行本
司馬遼太郎/中央公論社/昭和54年32版発行/ 500円
13023 新選組事典 (中公文庫)
鈴木 亨 編集/中央公論新社/1999発行/ 500円
13081 新選組100話 (中公文庫)
鈴木 亨/中央公論社/1996発行/ 700円

Posted by 南宜堂 at 21:59│Comments(0)