2012年11月15日

本屋は

「今泉棚とリブロの時代」読了。
今泉さんがリブロ池袋にいたのは、1983年から97年までの間です。その頃私は地方の出版社で編集の仕事をしていたのですが、リブロには数えるほどしか行っていません。自分には歯が立たないという印象の店でした。
高度成長から続くバブル真っ盛りの頃で、私が編集した二万三万という豪華本も二千三千と売れた時代でした。
大学にもアカデミズムの残骸が残っていて、知的なものに対する畏敬の念があった時代なのだと思います。日本に余裕のあった時代でした。
今は世の中全体が息苦しくなっていて、大学も就職のための予備校化しているようです。インターシップとか会社訪問とかリクルートスーツなんて言葉は昔はありませんでした。
私どもの店にもあの当時の本が少しは並んでいますが、なかなか売れません。時代がギスギスしているので、息の抜ける本が好まれるようです。それと、出版社にしろ書店にしろ体力が弱くなっているので、短期で勝負できる本が多くなるのでしょう。
今泉さんは業界の疲弊の原因は再販制度にあると指摘しています。どこで買っても同じ価格、そのかわり書店のマージンは低く抑えられている再販制度は、書店を守っているように見えても、実は書店の体力を削いでいるのです。書店員の給与は低く、従って意欲的な書店員がなかなか育たない。
最近新刊書店に行ってもワクワクするような気持ちになることはありません。年のせいかとも思うのですが、書店の棚が刺激的ではなくなっていることもあります。かといって書店にしてみればそんな本を並べても売れない、棚効率が悪いということになって、回転の速い本ばかりが並ぶようになるわけです。ジレンマです。
本屋は

スタイナー「言葉への情熱」



Posted by 南宜堂 at 08:19│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。